第2回 プチプラダウンも暖かい
海外は割と慣れている、スリ対策もバッチリ、と思っていたものの泥棒にあった話です。
前回記事はこちら
前回までの話
「絵本の世界に出てくるような」プラハの旧市街にある可愛い古民家ホテルに宿泊。朝起きると置いていた荷物がない。もらったばかりの婚約指輪がない。買ったばかりのダウンもない。極寒のプラハの早朝、布団をかぶって高級ホテルに助けを求め、警察を呼んでもらいます。
警察とのやり取り
プラハ警察、実地検証
ホテルのフロントの方には助けてもらったことを厚くお礼を言い、名刺を頂いて別れました。次プラハに来ることがあったらここに泊まろう!高いので予定は未定。
英語を話せる警官、チェコ語の警官、私服なのでおそらくホテルのオーナーか関係者と見られるおじさん(最後まで誰か不明)と連れ立って、警察署へ。何があったかを話し、何を盗まれたかを警察がメモ。ポリスレポートという書類を作っているようです。これは後ほどパスポート再発行の際に必要になるようです。どれくらい時間が経ったかは覚えていませんが、1時間かそれより多く警察署にいたのか。その後、実地検証をするとのことで、我々が泊まっていたホテルの部屋に戻りました。
2階のバスルームの天窓と、1階の扉横の大きな窓が開いていたと言うと、おそらく犯人は2階の天窓から入り、我々が寝ていたそばをすり抜けてiPhoneをコードから抜き、1階に降りて荷物をまとめて窓から脱出したのでしょうとのこと。
検証が終わり、警察に戻る。被害にあったもので、ナンバーで管理されているもの、婚約指輪とiPhoneは、シリアルナンバーとIMEIナンバーをそれぞれ帰国してからメールで送るように指示がありました。
服と下着を買ってもらう
これから大使館に行かなくては。でもお金も足もない。と思っていると、じゃあ、あとは彼女たちにお願いしてあるから。と警察に言われ、登場したのがオーナーの跡を継いでそうな30歳くらい?のチェコ人姉さん。自分のホテルでこんなことがあって申し訳ない、という雰囲気はゼロ、やたらと明るい。「とりあえず、服を買わないと」と車に乗せられました。この時点で、泥棒とホテルはグルなんじゃないかと思っていたので、有難いけどこの人本当に信用できるのか・・?と思っていました。が、布団をかぶって帰国するわけにもいかないので車に乗りました。布団はトランクルームに押し込みました。
「きっといつかこの出来事も笑い話にできる日がくるよ!」と姉さん。そうだとしても婚約指輪だけは笑えるのだろうかと遠い目になる私。姉さんの友人らしき女性も助手席に乗っている。
到着したのはプラハ・Andel駅近くのショッピングセンター内の「テラノバ」。夫に聞くと、イタリアのファストファッションやでとのこと。必要なものを買ってねと言われ、寒さ対策のダウン、まるでサイズが合っていなかったがインナー、無地のものが見当たらず、「Los Angels」みたいなロゴが入ったトレーナー、ベージュのスキニー、靴下を購入。ダウンも袖のゴムのところに2本線が入っているし、登山靴も赤色だし全体的にピタッとしてチアっぽいよくわからないコーディネートに。
メンズ物は無地のダウンにトレーナーもあり、あまり緊急に購入しました感がない。。羨ましい。靴もゲットしていました。2人ほぼ全身購入で1万5千円くらい。セールをやっていたこともあり、安い。ダウンは3000円くらいでした。
日本にいる家族・友人に連絡
普通の服に着替えたところで、ごはん食べようよとマクドナルドに連れて行ってもらいました。前々日くらいまで夫がマクドナルドを見つけるたびに「昼ご飯はマクドやな」と冗談で言っていたことが現実になりました。全く食欲はなかったですが、一文無しの身、次いつご飯が食べられるかわからないのでハンバーガーを食べました。
WiFiが通じたので、iPadで夫が家族にLINE電話。何かあった時にはよろしくと伝えておいてくれました。また、家の鍵まで盗られたので、日本に帰った時にどうするかを調べておきました。
年末休暇中の日本大使館に助けを求める
パスポートは即日発行可。ただし顔写真は自分で撮っておく必要有り
マクドナルドに行った次は写真屋さんへ連れて行ってもらいました。パスポートの再発行に顔写真が必要なためです。すっぴん、寝不足、疲れでなんともどんよりとした顔が写っていましたが、気にする余裕もなく。お金はオーナー娘の姉さんの友人が払ってくれました。ちなみに服もマクドも友人のカードで払っていました。共同経営者だったのか。
大使館へ。12/30、入り口には年末休暇の貼り紙が。緊急連絡先が書かれていたので姉さんに電話を借り、どうしても今日パスポートが必要なんですとお願いし、開けてもらうことに。
16時にまた来るように、とのことで、2時間ほど待ち時間がありました。
姉さんが「せっかくだからプラハ城でも見に行く?」と誘ってくれたので、4人でプラハ城見学。見たいなと思っていた、ミュシャのステンドグラスも見れました。
ミュシャのファンは必見!プラハで絶対行くべきスポット3つ | チェコ | LINEトラベルjp 旅行ガイド
ただし近くで見るのは有料だったので、無料で入れるゾーンから眺めるだけになりました。次来るときは有料ゾーンにちゃんと入って助けてもらった高級ホテルに泊まろう。いくらするんかな。
E-Ticketを印刷
パスポートの再発行のために、帰国便のE-Ticketを持っていく必要がありました。iPadを駆使し、なんとか帰りの便のE-ticketを表示することができました。ホテルの受付の人にお願いし、印刷してもらいました。
大使館にてパスポートの再発行・借金
16時になり、職員の方が大使館を開けてくれました。日本人と話ができて、すごくほっとしたのを覚えています。今日あった出来事を話しながらパスポート再発行の手続きをしてくれました。
提出したものは、写真・ポリスレポート・帰りのE-Ticket。
まるっと荷物が盗まれるというのはあまりないようなのですが、やはりここでも「ホテルがグルになってるのかもねぇ」との見解。
しばらくして、日本へ帰るための1回きりパスポートを発行してもらいました。
「そういえばお金を貸すこともできるけどどうする?」と言われ、有り難く借りることに。これがなければ日本についてから家に帰るまでの交通費がなかった。
チェコの場合、1人5万円まで貸し出しができるけど、金庫に5万円しかなかったのでそれだけになりますとのこと。一応貸出の利子が付きますとのことでしたが、確か1日1円だかそんなものでした。返済用の振込用紙ももらい、大使館手続きが無事に終了。休暇中に来てくださってありがとうございました。。!
姉さんたちは外で待っててくれたので、車で事件のあったホテルに戻りました。もう泊まりたくない部屋でしたが、他の部屋や他のホテルも全部埋まっているとのこと、仕方ないのでもう一泊ここで我慢してねと。
夜は、せっかくだし外に出ようということで、プラハの広場へ。慎重にお金を使わなくてはいけない、ということで二人でホットワインを一つ購入。長い一日、なんとか帰国する手立てはできたことへの安堵、でもなくなったもの、特に婚約指輪がどこに行ったんだろうという疑問は残りました。
チェコによく売っていた、外側が甘い生地の筒状のものの中にチョコレートが塗られているお菓子。これも食べました。
寒いプラハの夜でも、テラノバの3000円ダウンはなかなか暖かかった。
翌日、無事に飛行機に乗ることができ、成田空港に到着しました。
二人で荷物はこれだけでした。(服を買ったときのテラノバの袋。中身はパスポート、ポリスレポート、パジャマ、盗られず残っていた洗面用具と地球の歩き方。そしてこの写真はiPadで撮っている)
荷物は夫が持っていてくれたので、私は手ぶらで税関を通過。「えっ荷物は?」と流石に税関職員の方にも驚かれました。
無事帰国でき、二人でSuicaを購入。鍵がない、無事に家に入れるのか。オートロック扉のあるホテル、鍵がないのにどうやって盗みに入り、外に出たのか。残る疑問については次回に書きます。
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